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文芸の栞―近代小説点描

文芸の栞―近代小説点描
著者 細川正義
本体価格 2,800円
ページ数/判型 250/四六判上製
ISBN/分類コード 978-4-907282-39-4 C0095
本の紹介 漱石から始まる近代・現代文学の珠玉の作品を紹介し、文学鑑賞の楽しさを味わいながら、豊饒な言葉の世界から日本語コミュニケーションを学ぶ。
目次内容 Ⅰ 文芸作品への誘いざない
森鷗外『舞姫』
 豊太郎の煩悶―近代日本の〈青春〉への提言
夏目漱石『三四郎』
 〈迷羊〉の行方―近代日本の転換期を見据えて
夏目漱石『こころ』(1)
 「愛すること」と他者への「責任」に誠実に生きた先生の「真面目」
夏目漱石『こころ』(2)
 人間の心の捉え難さへの対峙
芥川龍之介『温き心』
 愛を求める寂寥の人
志賀直哉『清兵衛と瓢簞』
 芸術への清新な理想―清兵衛の瓢簞を見る眼
芥川龍之介『羅生門』
 エゴイズムと戦う下人像―人間の愚かさへの芥川の眼差し
梶井基次郎『檸檬』
 檸檬爆弾の意味―病魔に冒された魂の彷徨
谷崎潤一郎『春琴抄』
 春琴と佐助の愛の形―日本美の希求
太宰治『富嶽百景』
 月見草にかける願い―「中期」の明るさへの開示
太宰治『正義と微笑』
 太平洋戦争下の真摯な生き方―他者との関係性に対する提言
中島敦『山月記』
 李徴の〈慟哭〉と〈咆哮〉が伝えるもの
山本周五郎『柳橋物語』
 耐えて待つことで〈真実〉は必ず見えてくる
三島由紀夫『潮騒』
 初枝と新治の至純な愛の世界―「海」への憧憬とユートピア
司馬遼太郎『竜馬がゆく』
 世界の中の日本をまなざす竜馬の〈真実〉
三浦綾子『ひつじが丘』
 愛することとゆるすことの難しさに立ちどまるストレイシープたち
遠藤周作『沈黙』
 日本的精神風土への愛の試み―弱者と母性の論理
宮本輝『泥の河』
 〈お化け鯉〉が伝えるもの―かけがえのない命と人間の絆
よしもとばなな『キッチン』
 「家族の喪失」からの回復―桜井みかげの向日性
山田詠美『僕は勉強ができない』
 内面の真実のかけがえのなさを伝える主人公
小川洋子『ミーナの行進』
 自分の心に真っ直ぐ向かって生きたミーナのピュアな心

Ⅱ 山本周五郎文芸の魅力
『寝ぼけ署長』
 人間愛を描いた推理と解決  
『山彦乙女』『五瓣の椿』
 歴史を超えて訴えてくる人間のかけがえのなさ
『正雪記』    
 歴史のなかから人間性を

Ⅲ 近代文芸論考
島崎藤村における国際性と文明批評
遠藤周作文芸とキリスト教―『沈黙』に至る道
司馬遼太郎文芸の方法―『坂の上の雲』論

あとがき 
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