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韓国から見る日本の私小説

韓国から見る日本の私小説
著者・訳者 安英姫・梅澤亜由美
本体価格 1,800円
ページ数/判型 184/4/6判上製
ISBN/分類コード 978-4-907846-76-3 C0095
本の紹介  韓国人から見る初の日本私小説
韓国の若手日本文学研究者による、西欧・日本・韓国にまたがる私小説の比較研究を翻訳する。
本の概要
目 次
日本語版への序
日本の私小説
一、 現実と虚構の境界を消すフィクション
二、 ありのままという幻想
1、 模倣の現実描写方法が私小説を誕生させた
2、 西欧自然主義小説から日本自然主義小説へ
3、 三人称で告白することは可能か
4、 言文一致は錯覚であり妄想である
三、 私小説の誕生と『蒲団』
1、 自然主義から私小説へ
2、 現実暴露の悲哀
3、 『破戒』と『蒲団』の決闘
4、 『蒲団』のテクストの特異性――固定された視点
5、 揺れる視点
6、 固定された視点と揺れる視点
7、 中年男の寂しい嫉妬の告白
8、 遮断された部屋で流す悲哀の涙
9、 真実の隠蔽手段としての手紙
10、 告白の手段としての手紙
11、 私小説の誕生は作家と読者の責任である
四、 岩野泡鳴の『五部作』
1、 『五部作』の作品世界
2、 『五部作』の改作過程
3、 視点の移動
4、 視点の変化と作品世界の変化
5、 排除される登場人物の内面
6、 愛人との自殺騒動
7、 毒薬のような女お鳥
8、 醜い妻千代子
9、 日本のドン・キホーテ
10、 作品の自伝的要素と社会性の排除
11、 実生活と芸術と思想の一致
五、 私小説に見る日本人の精神構造
1、 日本自然主義は「事実」と「真実」を混同した
2、 著者の死は読者の誕生である
3、 作品からテクストへ
4、 事実を重視する日本人
5、 私小説作家の「書きたがる病」
6、 自分を表現することによって慰めを得る
7、 自己暴露は読者たちの称讃の対象である
8、 主人公に変化がない
9、 読者の覗き見趣味
10、 主人公との自己同一化
11、 私小説の伝統は日記と随筆文学から見つけることができる
六、 現実を回避した逃亡奴隷

日本の私小説と『離れ部屋』
一、 序 論
二、 小説家小説と日本の私小説
三、 私小説と『離れ部屋』の叙事
1、 二重構造の叙事──作家
2、 事実とフィクションの境界──読者
四、 作家の伝記的要素と社会性──〈わたし〉から〈わたしたち〉へ
五、 結 論
訳者解説に代えて

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