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詩歌作者事典

詩歌作者事典
監修 志村有弘
本体価格 8,000円
ページ数/判型 480/A5判上製
ISBN/分類コード 978-4-907846-87-9 C0590
本の紹介 歌人、詩人(中国・日本)、俳人、千余人の伝を収録した空前絶後の大事典!
杜甫、李白、在原業平、小野小町、藤原定家、金子みすゞ……燦然と光輝く詩歌人!

 私たちは、幼いころから詩歌と共に歩んできた。小学生の頃から「百人一首」のカルタに親しみ、少し長じては与謝野鉄幹・与謝野晶子・島崎藤村らの詩歌を暗誦するほど愛読し、時にはそれらの調べの美しさと哀切さに涙することもあった。考えてみると、私たちは詩歌を心の拠り所として生きてきたのではなかったか。
  現在、全国で出されている同人雑誌を見ても、詩・短歌・俳句の雑誌が圧倒的に多いことに気づく。なぜ、これほどまでに韻文文学が愛されるのか。それは、詩歌が私たち日本人の原郷であり、日本的精神、換言すれば最も日本人らしい心を象徴しているからではあるまいか。
  当然のことであるが、詩歌は、日本の詩や和歌(短歌)・俳句に限ったことではない。中国には多くの優れた詩人たちがおり、私たちは、杜甫や李白の漢詩に人生の何たるか、人生いかに生きるべきかを学んできた。そうして私たちは、作品の理解一層深めるうえで、詩歌作者たちの生涯のあらましを簡便に把握できる事典を作りたいと考え続けてきた。
  本事典は、古代から現代にいたる漢詩人(中国・日本)・歌人・俳人千余人の小伝である。奈良・平安・鎌倉・室町・江戸という歴史の中の輝かしい詩歌人たちはもとより、行基・最澄・空海など宗教者、上杉謙信や武田信玄など戦国武将たち、維新の志士や政界人、思想家等、あらゆる分野の詩歌人を視野に入れている。近現代の詩歌人も多数取り上げたが、本事典を通して明治天皇や軍人乃木希典の豊かな文才を再確認し、また、違星北斗・岸上大作・中城ふみ子など早世した人たちの生涯にも注目していただきたいと思う。ともあれ、広範さ、特異さにおいては空前絶後の事典であると自負している。
  本事典が、詩歌愛好者はもとより、吟道・武道・茶道・香道・書道などいわゆる〈道〉の世界に生きる人たち、一般の家庭、学校、図書館、その他多くの人たちに利用されることを切に願うものである。

●本書は、歌人、詩人(日本・中国)、俳人について、その人物・作風に関する事典である。
●人名、伝承上の人物名などを掲げ見出し語とした。
●見出し語は、本名・旧姓名・別名(筆名・雅号・諡等)などのうち、一般的通称として最も多く使用されているものを採った。そのうえで採用しなかった名もできる限り【評伝】の中で紹介し、利用の便をはかった。
●各人物ごとに、名前の読み、【生没】【評伝】【著作】の順で解説した。
●【評伝】では、生誕地や経歴および作風とその変遷を説明しつつ、可能な限り逸話の紹介にも努めた。現在活動を行なっている人物については、受賞歴などについて、できるだけ最新かつ正確な情報を盛り込むように努めた。
●【著作】には、その代表的な著作を掲げた。
●巻末に日中の詩人の生没年を対照できる年表を掲げることで、索引としての利用の便をはかった。

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