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久坂葉子全集(全3冊)

久坂葉子全集(全3冊)
編者 佐藤和夫
本体価格 15,000円(3冊価)
ページ数/判型 1100/菊判上製
ISBN/分類コード 4-907846-26-6 C0395
本の紹介  久坂葉子(本名・川崎澄子)の「ドミノのお告げ」(原題「落ちてゆく世界」)は昭和25年8月、19歳という若さで芥川賞候補になった。惜しくも受賞には至らなかったが、このことが彼女の人生を大きく左右したことは事実である。と同時に、名門の家に生まれ育ち、その宿命を背負い、又それに押しつぶされまいと抵抗しながら戦前と戦後の狭間に苦しみ、道化を演じ、プライドをも捨てきれずに孤独、淋しさを胸に必死に生き抜こうとした姿が彼女の作品である。
 久坂葉子はゆたかな才能を持ちそなえながら、その大輪の開花を私達は目にすることは出来なかったが、そのなかで愛に涙し、溺れ、そして愛に散った21歳の人生は日記につぶさにしるされている。読む者にとってはせつなく哀しいことではあるが、彼女には幸福な日々だったと信じたい。
 本全集は小説、随筆、雑文、戯曲、詩、俳句、コント、日記などを収録したほぼ完全なものである。これによって久坂葉子の全貌が明らかになり、研究の一助となれば幸いである。
本の概要 第一巻 小説
◆小説 (28篇)
彩子とお日様/港町風景/入梅/四年のあひだのこと/猫/晩照・Ⅰ/晩照・Ⅱ/終熄/覓子と兼子/落ちてゆく世界/愛撫/宿雨の呟き・Ⅰ/宿雨の呟き・Ⅱ/ドミノのお告げ/鏡/ゆき子の話/黒い扮装/灰色の記憶/月の夜/一夜/特急二十八分/道程/女/女/金色の動物/計画は空し/骨董の中に/坂道
第二巻 小説・随筆
◆小説 (18篇)
さえぎられた光線/華々しき瞬間/一年草/孕む/幾度目かの最期/訪問客/淀んだ血A/淀んだ血B/淀んだ血C/霊界の抱擁/嵯峨野/命/うらといふ女/素話/人形のかなしみ/ふたつの花/路涯の終焉/スケッチブックからのエスキス
◆小学校時代の作文 (7篇)
かとんぼ/晩秋の雨/窓の外/朝の庭/伊勢旅行記/秋山におもふ/大詔奉戴日の朝
◆随筆 (26篇)
馬鹿者/ある日の話/南窗記/私/クサカ・ヨウコ私/浜辺/たより/やりたいこと/久坂葉子の誕生と死亡/色気/原稿の中に残っていた二枚の文章/私は、こんな女でござる。/起きるまで/柳河の人/トンコ節/おのれは棚の上において/隠居趣味/されこうべ/されこうべの恋/健康と宗教/私の芸術/私のたった一人の友達へ/無常/私はケラ/幽霊/拝火の祭
◆神戸新聞掲載 (24篇)
贈物/盲女/アンケート/二本のストロー/春日狂乱/花と女/街の断章/かせぐ恋人/親父度し難し/妻は殺さず/懐疑派の縁談/新編ネコ騒動/こけし人形/アワビは内気/名刺のいたずら/墓場への電話/すいせん/ある男の告白/礼讃/ゆめのお城/島のおんな/年賀状/クリスマスの出来事/真実売ります
第三巻 戯曲・詩・日記
◆戯曲 (10篇)
春が来る時/神様は喧嘩する/戯曲女達/流れ雲/鋏と布と型/詩劇かひがらのうた/「かいがらのうた」(符面付)/墓場え/衣裳/戯曲行方(一幕)
◆詩 (94篇) ◆俳句 ◆書簡 ◆雑文 ◆日記 ◆手帳(昭和22年~24年、27年) ◆著作目録 ◆文献目録 ◆年譜 ◆解説
掲載メディア 「神戸新聞」 (03.11)
「毎日新聞」 (03.12)
「朝日新聞」 (04.1、03.11)
「東京新聞」 (04.1)
「日本経済新聞」 (04.1)
「北海道新聞」 (04.3)
「国文学 解釈と鑑賞」2月号(05.2)

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